はじまりは、1件のインスタフォローから。
ある日、アパレルで働く大学生・かいじのもとに届いた一通の通知。「ひなた(えおミーム)」という女性からInstagramをフォローされた。それが、すべての始まりだった。
でも実は——
その6年前、ひなたはすでに“かいじ”の存在を知っていた。
【過去】地元のアイドルだった彼女の、東京での転落と再起
大学進学で上京したひなたは、生活の変化で体重が20kg増加。地元では「1日3人に告白された」というモテエピソードも今は昔。
知り合いもいない孤独な東京で、心身ともに疲弊していく日々。
家族も大変で母は重度のうつ病、父も看病で疲弊。大学に通えなくなり、夢だった小学校の先生になる気力もなくなってしまった。
過食→後悔→自己嫌悪のループ。
気づけば「生きること」よりも「耐えること」のほうが日常になっていた。
それでも、一つだけ心に決めていたことがあった。
「お父さんの夢を、絶対叶えてあげたい」
父の夢は、私がビールの売り子として球場で働く姿を見ながら、観戦すること。
だから私は、売り子のバイトを始めた。そして、ある日——
同じ売り子仲間がこう言った。
「ねえ、友達の友達にめっちゃイケメンがいるんだけど、見て!」
そのスマホの画面に映っていたのが、かいじだった。
【片思い】ひなたの“推し活”と努力
写真を見た瞬間、「この世にこんなイケメンがいるの!?」と衝撃。かいじは大学では、かなり有名な存在だったらしい。
でもひなたは20キロ太っていて、自分に自信がなく、せめて遠くからでも……と、友達に付き添って大学まで“見に行く”ことしかできなかった。
友達は、思い切ってかいじにインスタのDMを送ってみた。
でも、返ってきた反応はびっくりするほどそっけなくて、塩対応。
「女の子に興味ないのかな?」
「イケメンって、そういう人なのかも」とひなたは思ったそう。
自信のなかったひなたはかいじのインスタはフォローせず、むしろブロックして“こっそり”チェック。
ある日、友達が言った。「もしかしたら、今度かいじ連れてこれるかもよ」
「それまでに絶対痩せよう。」と決意し、2ヶ月で15kgの減量に成功。
でもその頃、かいじには彼女ができてしまう。
推しの恋人の存在に心を痛めながらも、インスタ更新をこっそり追いかける“ガチファン”のような日々。
やがて、彼と彼女のアカウントが鍵付きになり、“推し活”は強制終了。
それと同じように、かいじの存在が薄れていき、ひなたにも恋人ができた。
【再会】思いがけない“インスタの再登場”
ひなたが3年付き合った彼氏と別れ、「男の人とか、もういいや」って本気で思ってた。
3年間の安定感に慣れすぎて、新しい関係を築くことに疲れきっていた。女友達と楽しく過ごしてればいい。そう思っていたころ。
ある共通の男友達から「可愛くなったね」とDMが届く。その流れで、インスタのおすすめに突然現れたのが…かいじのアカウント。
「えっ……懐かしっ!! こんな人いたわ!」
見に行くと、彼女との写真がすべて消えていた。かいじにも、3年付き合っていた彼女がいたが、ひなたとほぼ同時期に別れていた。
男の人と関わる気はなかったけど、“かいじ”だけは、人生で初めて「推し」になった人。
アイドルにも芸能人にも興味を持ったことがなかった私が、唯一、心を奪われた人。
「まぁ……フォローくらい、いいよね?」
そう思って、ひなたは6年越しに、かいじをフォローした。
【運命】DMから始まる、恋の再スタート
当時、かいじはアパレルブランドでインターン中。
ある日ひなたからフォローが届き、
「えっ、めっちゃ可愛い子からフォローきたんだけど……!」
嬉しさのあまり、かいじは一緒に働いていた先輩にまで見せていたらしい。
かいじとひなたには共通の友達がいて、かいじが「○○さんって友達ですか?」とひなたにDMを送ったことをきっかけに会話が始まり、食事に行く約束へ。
でもどちらも“誘われ待ち”。実はかいじは、自分から女性を好きになったことも、アプローチをしたこともないタイプだった。
ようやくかいじが誘い、2人は横浜駅で初めて会う約束をする。
その頃ひなたにとっては、かいじは「昔の思い出の人」だった。昔は好きだったけど、今はただの同い年の大学生。特別な感情はなかった。
でも、いざ会うと決まった瞬間。
「“推し”だった人に、“写真と全然違う”って思われたくない。」
その一心でひなたは、会う前に全力で準備して挑んでいた。1週間会社を休んで美容週間に。スキンケア、ネイル、まつ毛パーマ、スキンボトックス…前日は90度で寝てむくみ対策まで。
初デート当日、かいじは「めちゃくちゃ可愛い…」と衝撃。
【急展開】恋が走り出す
デート翌日は、かいじは友達と予定があった。でも——。
「もうすぐ転勤が決まってて、東京にいられる時間が少ない。」
かいじは、友達との約束を断り、翌日もひなたと会うことに。
遊園地デートへ。お化け屋敷では「手、つないでいい?」と、ついに手をつなぐ展開に。
夜は数軒はしごして、終電を逃してしまい、ビジネスホテルに宿泊。ただ映画を見て寝るだけという誠実さに、ひなたの心が揺れる。
「あ、この人はちゃんと誠実な人なんだ。」
1週間後、かいじの人生初告白
かいじはすっかりひなたに惹かれていた。箱根デートでかいじが告白。
「好きです。付き合ってほしいです」
人生初の告白だった。
ひなたは1時間悩んだ。惹かれてはいたけどそれだけで付き合うのは違うと思ったそう。
「かいじは、私の“表面”しか知らない。そんな状態で付き合うのは荷が重いし、申し訳ない。」「遠距離が不安」「私じゃ、この人を幸せにできないかもしれない。」
かいじは、逃したくない一心で、全力で“プレゼン”を始めた。
「俺は一途だし、タバコもギャンブルもしない。初めて逃したくないと思った。」
「お願いします。」
そう言われるまで、かいじはずっとプレゼンを続けた。
ひなたは、かいじの必死のプレゼンに心を打たれ、付き合うことを決意したそう。
「ここまで想ってくれる人、他にいないかもしれない。」
付き合うことが決まった瞬間——
かいじは、40分くらい「やったー!」と叫びながらベッドの上をゴロゴロ転がっていたらしい(笑)
【今】遠距離の始まりと、覚悟の恋
付き合って翌日には、お互いの親友に紹介し、真剣な関係へ。
また、付き合ってすぐ、かいじには東京から静岡へ転勤が決まっていた。
残されたのは、わずか1ヶ月。
「ひなたとの思い出を少しでも多く作りたい」
そう思ったかいじは、すでに入っていた予定をすべてキャンセルし、ひなたとの時間を大切にしたそうです。
【まとめ】「推し」だった人と、人生を共にする未来
6年越しの偶然の再会、1週間での告白。
一度は「ありえない」と思った人が、人生を変える存在に。
「推しが、彼氏になった。」
そんな奇跡みたいなラブストーリーが、ここにあります。
これからのふたりにも、たくさんの幸せが待っていますように😊✨


