近年、TikTokを中心に大きな注目を集めている画家・冨永ボンド(とみなが ぼんど)さん。
彼は「ボンドアート(登録商標)」という、世界で唯一の独自画法を確立した現代アーティストです。
木工用ボンドと水性塗料を組み合わせ、立体感と光沢のある独特のマチエールを生み出す彼の作品は、一目で「冨永ボンド」と分かる圧倒的な個性を放っています。
プロフィール
- 本名:冨永久司
- 生年月日:1983年
- 出身地:福岡県福岡市
- 在住地:佐賀県多久市
- 出身校:福岡デザイン専門学校卒業
- 株式会社ボンドグラフィックス 代表取締役社長
- 肩書き:現代アーティスト/画家/ライブペインター/グラフィックデザイナー
SNS
- TikTok:@bondgraphics
- Instagram:@bondgraphics
絵を描き始めたのは26歳から──冨永ボンドの原点
冨永ボンドさんが初めて絵を描いたのは、意外にも26歳のとき。
それ以前は美術畑の人ではなく、実は高校でプログラミング、専門学校で家具デザイン、大学でITを学んだという多彩なバックグラウンドを持っていました。
卒業後は家具メーカーに勤務し、その後はグラフィックデザイナーとして活動。独学でデザインを学び、音楽イベントのポスターやCDジャケットの制作を手掛けるなど、アートよりもデザインや音楽シーンに近い世界にいたのです。
「表現したい」という衝動からライブペイントへ
転機となったのは2009年。
音楽イベントに参加していた冨永さんは、「DJやダンサーのように自分も表現をしてみたい」という想いから、初めてライブペイントに挑戦しました。
このときに手にしたのが、なんと木工用ボンド。
光を受けて輝き、立体的な質感を生む線の表現に強く惹かれ、以後この独自の手法を探求していくことになります。
グラフィックからリアルへ──「ボンドアート」の誕生
元々グラフィックデザインでは「コラージュ」を得意としていた冨永さん。
PC画面上で画像を組み合わせる手法を使っていたことから、活動名を「ボンドグラフィックス」としていました。
その発想をリアルの世界に持ち込み、実際に「ボンド」で色と色をつなぎ合わせるという試みが始まります。さまざまな色を塗り、その境界を黒いボンドで縁取る──この手法が現在の「ボンドアート」につながりました。
「ボンドアート」の誕生と2つの理由
冨永さんが木工用ボンドを画材に選んだ理由は2つあります。
- 接着する=つなぐという明確なコンセプト
→ アートを通じて「人と人」「アートと社会」をつなげる役割を担う。 - ボンドの持つ大衆性
→ 木工用ボンドを使ったことがない人はほとんどいない。その“誰もが知る素材”を使うことで、アートの敷居を下げ、身近に感じてもらう狙いがある。
こうして誕生したボンドアートは、光沢を帯びた立体的な線が特徴。
一度目にすると忘れられないインパクトがあります。
佐賀・多久市との出会いが転機に
福岡で活動を続けていた冨永さんですが、結婚を機に 佐賀県多久市へ移住。
それ以降、活動の拠点を多久市に移しました。
多久市は人口減少や商店街の空洞化といった課題を抱えていましたが、冨永さんはその状況を「アートで町を元気にできるチャンス」と捉えます。
実際に、閉店した店舗のシャッターや壁面にウォールアートを描き、商店街に新しい彩りを与えました。
さらに「多久市ウォールアートプロジェクト」を立ち上げ、まちづくり協議会の部会長としても地域活性に尽力。
冨永さんはアートを通じて、多久を “日本一のウォールアートの街” にしようと挑戦を続けています。
さらに、自身の拠点「ボンドバ」では週に一度バーを開き、月に一度アトリエを開放。
人と人がつながる空間として機能し続けています。
ワークショップと社会への貢献
ボンドアートを始めてから冨永さんは、教育・福祉の現場での活動に力を入れています。
冨永さんは「人と人」「人とアート」をつなぐことをテーマに掲げ、教育機関・病院・障がい者施設・地域イベントなどでワークショップを展開。
これまでに 延べ5万人以上 がボンドアートを体験しています。
彼にとってアートは“社会と人を接着するもの”なのです。
子どもたちへのメッセージ
ワークショップで子どもたちに伝えるとき、冨永さんは「上手だね」とは言いません。
代わりに「色がいいね」「その表現が素敵だね」と具体的に褒めるのです。
理由はシンプル。
「アートに上手下手はない。失敗もない。」
だからこそ、誰もが自由に表現でき、楽しめるものになる。これは彼の哲学そのものです。
さらに子どもたちに必ず伝えるのはこの3つ。
- 夢は口に出すこと
- 相手に感謝すること
- 諦めないこと
実際に冨永さん自身、夢を語り続けることで多くの人の協力を得て、コネもない中でニューヨークやパリへ単身で乗り込み、道を切り開いてきました。
まとめ
冨永ボンドさんは、ただの画家ではなく アートで社会をつなぐ接着剤のような存在 です。
TikTokでの発信をきっかけに、その独自のボンドアートはますます注目を集めています。
「アートには失敗がない」という信念を体現する冨永さんの挑戦。
今後も国内外での活躍から目が離せません。

